かいぼりについて

かいぼりってなんですか?

かいぼりとは、日本の伝統的なため池の管理方法のことです。稲作を終えた秋季から冬季にかけて、池の水を抜いて、池の破損箇所の点検や泥さらい(貯水容量の回復)などを行います。農業で使う大切な水を維持することが、一番の目的です。 しかし最近、都市部、公園、神社、お寺などの池では、水質の浄化や外来種の駆除などを目的としてかいぼりが行われることも多くなってきています。

かいぼりをやるのにどんな⼿続きが必要ですか?

最低でも下記3つは必要です。

  • 池の所有者の同意
  • 特別採捕許可の取得(都道府県の漁業などを扱う部署に問い合わせます)
  • 池の水を排水する河川、用水路などの管理者への連絡
もし特定外来生物が捕獲され、これを生きたまま移動させる必要がある場合などは、環境省に防除実施計画や防除申請を提出し、事前に許可を得ておく必要があります。 またこれに加え、地域で活動している自然保護団体や周辺住民などとの間で、かいぼり実施に関しての合意を得ておきましょう。

かいぼりにはお⾦がかかりますか?

かいぼりの目的や池の形状などによって大きく変わってきます。一般的には以下の経費がかかります。

  1. 池の水を抜く道具のレンタル代(水抜きポンプ、発電機など)
  2. 泥掃除の重機・道具の使用代(バキュームカー、高圧洗浄機など)
  3. 生きもの捕獲を行う道具の購入費用(タモ網、タライ、エアポンプ、胴長など)
  4. 生物捕獲を行う作業の準備、当日の捕獲イベント運営費(テント設営、道具準備、ボランティアコーディネートなど)
  5. 池の水が戻るまで在来種を飼育しておくための道具代(簡易プール、水槽、エアポンプなど)
  6. 上記1~5について作業を行う人に支払う人件費

外来種は駆除しないといけないのですか?

かいぼりの目的にもよりますが、地域の生態系や生物多様性を守るためには、駆除を行う必要があります。特に、侵略性の高い種、遺伝子汚染を引き起こす種等の駆除は重要です。

⾏政⾃治体の皆様へ

市⺠参加のかいぼりは可能ですか?

可能です。かいぼりイベントとして、安全に配慮しながら⾏うことができます。ただし、泥が深い場合には⼦どもの参加を⾒合わせるなど、状況に応じた対応が必要になることがあります。

かいぼりを実施する際の⾃治体の役割は何ですか?

予算の確保、必要な許可申請の手続き、市民への広報、人手不足な場合の職員の招集、捕獲した外来種の処分などが考えられます。いずれについてもNPO birthでサポートいたします。

かいぼりに必要な道具を持っていません

胴長、タモ網、タライなどの基本的な道具はNPO birthでご用意できます。必要な数が多く、不足する場合には新規購入をご相談させていただきます。 大型の水抜きポンプなどの用意は、専門業者に依頼することになります。

企業の皆様へ

企業がかいぼりをすることのメリットはなんですか?

高い環境意識を持ったサスティナブルな企業であることをPRできます。ESG投資が国際的な広がりを見せているなか、企業が生物多様性に配慮することは欠かせないものとなってきています。
また、複数の社員で共同作業を行うので、チームビルドにも役立ちます。

かいぼりは、SDGsやCSRと関係がありますか?

かいぼりの実施は、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成に貢献します。
自社の池でかいぼりを行うことは、事業所敷地内の生物多様性を高めることにつながるため、CSRとしてPRできます。

学校関係者の皆様へ

放置されたビオトープ池を復活させるためには、かいぼりの実施 が必須ですか?

ヘドロや落ち葉などが溜まりすぎていたり、外来生物がたくさん生息している場合はかいぼりが有効ですが、必要な作業は池の状態によって異なります。現場に合った最良の方法をご提案いたします。

ビオトープを復活させても、またもとに戻ってしまうのでは?

放置しすぎると、もとに戻ってしまいます。人手や予算など、状況に応じたお手入れのプランをご提案いたします。

ビオトープを授業や教育にうまく活かせない

学習指導要領に沿った授業内容をご提案させていただくほか、必要に応じ単発・連続授業を実施する講師を派遣いたします。